それは土曜日の事でした。
ウルトラマラソンのスタートは朝5:00。
よって、前日から長野入りする事にしておりました。
今回は観光案内所を通して予約したホテルだったのですが、
そこが廃墟同然のホテルだったのです。
もう、見た目が、建物の発している雰囲気が怖い。
フロントまで歩を進めるも、静まり返って無人であったのがさらに怖い。
まだ時間が早いから無人なのだろうと、
少し先のペットグッズ屋さんに行って金太郎へのお土産を購入。
しばらくして戻ると、宿泊客がもう2組到着していましたが、
その方達も同様に不安を隠せない様子。
椅子に腰掛けてしばらく待つも、無人ホテルはその荒廃っぷりを見せつけるばかり。
そんな時、視線の先に「野辺山国立天文台」のポスターがある事に気付きました。
このままここにいても埒が開かなそうなので、天文台へ行く事に。
電波望遠鏡と、宇宙のスケールのデカさに、われわれの小ささを実感し、堪能。
先ほどの恐怖感もすこーーしばかり薄れた状態で、もう一度ホテルへ。
すると事態は進展しておりました。
先ほどよりも人が増えている。
フロントでは割烹着を着た白髪のおばあちゃんがスローに対応している。
順番を待つ間、やはりここはオカシイと観光案内所に変更の依頼をしていたご夫婦に話を聞くと「本当にひどいから」と、先に自分達の部屋を見せてくれました。
確かに不衛生さが随所に見られる部屋でした。
今回一緒に同行してくださったマゴさんが、そのご夫婦と実はご近所さんという事がわかり、いい感じに意気投合しておられたので、その間に私はもう一度フロントへ行き自分達の部屋の鍵を受け取り、見てみる事に。
確かにこっちも凄い。
でも、我慢するか否か?と混乱状態でしたが、
先程のご夫婦が観光案内所と別ホテルへ変更の折り合いが着いた所で、
ご主人の機転により奇跡的にそこに便乗できる運びとなったのです。
天文台から戻って30分も経たないうちに、私達は廃墟ホテルを後にする事ができました。
変更後のホテルは、天国でした。
今思い出しても、この事態の必然っぷりは凄かったなぁと感じます。
あのまま廃墟ホテルに泊まっていたら、また違う結果になってしまったんだろうなと思います。
同行したマゴさんは無事100kmを完走され、私もふて寝から覚めてそのゴールを見る事で、感動をもらいました。
よかった。廃墟ホテルから脱出できて本当に良かった。
と、長くなりましたが、こういった事のすべてがウルトラマラソンなのだなぁと実感しています。